みなとみらいエリアのロープウェー計画が明らかになりました。「YOKOHAMA AIR CABIN(仮)」と名付けられたロープウェー。通るルートや、営業開始時期など、情報をまとめます。
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どこにできるの?
ルートは、「JR桜木町駅前」と「横浜ワールドポーターズ付近」を結ぶ、全長約630m。地図上に線を引いてみると、こんな感じになります。
横浜市の資料ではこのような感じ。
ちょうど汽車道に沿うような形で、汽車道の南側、高さ30~40mの上空をゴンドラが行き来するとのこと。
周辺ではロープウェイ建設に反対意見も
みなとみらいエリアの回遊性を高めるための施策として検討が進んでいるこの計画ですが、一部反対の声もあるようです。
MM線馬車道駅近くの北仲通北地区を再開発する事業者は、景観への影響を懸念する。事業者でつくる「横浜北仲エリアマネジメント」は1月、「長い時間をかけて形づくってきた都市景観に大きな影響を及ぼす」とする意見書を市長に提出。地区近くの内水域に海上の支柱3本を建ててゴンドラが通過する計画を「北仲通北地区や万国橋、汽車道からの眺望を著しく阻害する」とし、「(市や提案事業者の)進め方はあまりにも拙速に過ぎる」と批判している。
カナロコ
汽車道からの眺望という意味では、計画されているルートは南側(ランドマークタワーやクイーンズスクエア、コスモクロック21などとは反対側)であることを考えると影響はさほど大きくないかもしれませんが、万国橋や北仲エリアからみなとみらいを眺めた場合には確実に視界に入ってくるため、景観への影響は大きそうです。
いずれにしても、30~40mの高さを行き来するゴンドラや、それを支える支柱は、なかなかのインパクト。景観に馴染むまではそれなりに時間を要しそうです。
いつできるの?
18年度中の実施協定締結、19年度には着工、2020年の東京五輪・パラリンピックまでの営業開始を目指しているとのこと。そんなに先の話ではないですね。
ちなみに、この事業を手掛けるのは「よこはまコスモワールド」を運営する泉陽興業株式会社で、ロープウェーの設置や運用にかかる費用はすべて同社が負担するとのこと。
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どんなデザインになる?
気になるデザインについて、現時点でわかっている情報をまとめます。
デザインパース
横浜市議会の資料には以下3枚のデザインパースが掲載されています。
いずれも現時点のデザイン案であることに加え、詳細は明らかになっていませんが、こちらも横浜市議会の資料を確認してみると、以下のような基本コンセプトが掲げられています。
デザインの基本コンセプト
調和 | 都心臨海部でこれまで形成されてきた景観・デザインと調和し融合を図ります。 |
統一感 | 駅舎やゴンドラなど施設を構成する各要素を統一したデザインコンセプトで展開します。 |
先進性 | 日本で最初の常設都市型ロープウェイとしてシンプルかつスマートなデザインとします。 |
ダイナミック | 横浜を象徴するエリアに新たに動きのある景観要素を加え躍動感を創出します。 |
3次元 | 立体的な角度から港や街並みを見渡すことができる新たな眺望を創出します。 |
今ある景観との調和という点は、横浜、みなとみらいを愛する多くの人が気にしているところなのではないかと思いますが、横浜市会資料の中には、以下のような言及もあり、配慮とともに進められていくようです。
具体化に当たっては、みなとみらい21中央地区及び新港地区をはじめ、隣接する北仲通北地区の景観ガイドラインに配慮するとともに、都市美対策審議会景観審査部会にも諮りながら、更なる検討を進めます。
平成31年2月 2月13日 建築・都市整備・道路委員会 資料
運賃・所用時間は?
運賃については現時点では未定、所要時間は片道2-3分程度とのこと。
桜木町駅から横浜ワールドポーターズまでは、汽車道を通るルートで約10分と、駅近とまではいかないものの、苦になるほどではない距離。また、汽車道からはみなとみらいエリアが一望でき、みなとみらいを楽しみながらのお散歩的に考えると、移動の10分間も、これはこれで良い観光体験になる気がします。
そんなことを考えると、移動時間短縮のメリットはそこまで大きくないようにも感じられ、「観光利用の移動手段(トライアルのみ)」になるか「日常使いの移動手段(リピートも)」になるか、運賃は重要な要素となりそうです。
さいごに
現時点で明らかになっている情報は少ないですが、今後も新たな情報は追加していきます。